電子ピアノはエレクトーンと何が違う?双方の特徴を理解しよう

公開日:2023/07/15  最終更新日:2023/05/12

音楽系の習い事をしたいと思ったときに、よく比較されるのが電子ピアノとエレクトーンであることが多いです。どちらも鍵盤楽器ですが、何が違うのか疑問に思う方もいらっしゃるためはないでしょうか。この記事では双方の特徴や違いを紹介いたします。疑問を解消して、自分に合った楽器選びの参考にしてください。

電子ピアノの特徴

電子ピアノはグランドピアノの音色や鍵盤タッチの再現を目指した電子楽器です。鍵盤を叩くとスピーカーから発音する仕組みとなっており、音源はあらかじめ録音したピアノの音を発音するサンプリング音源、録音したピアノの音を合成して発音するモデリング音源のいずれかを使用しています。ピアノを基本としているため、ピアノ曲を演奏するための楽器といえるでしょう。

自分好みに音量調整をしたり、ヘッドホンを装着したりするなど、夜間でも気兼ねなく演奏できるのがメリットです。技術の進歩とともに品質も進化しており、タッチや音色が本物のピアノに近い商品も多く存在しています。本物のピアノに比べてコンパクトなうえに低価格、定期的な調律が不要なので導入しやすいのが魅力です。

エレクトーンの特徴

エレクトーンは、パイプオルガンをもとにした電子オルガンの一種であり、ヤマハ株式会社の商標登録です。上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤の3つの鍵盤を操作し、一人で合奏や重奏を表現できるのが特徴です。3つの鍵盤それぞれで音色や音量を変えられるため、音のバランスが取りやすいといえます。

機能多彩な音色やリズムが内蔵されており、組み合わせによりさまざまなジャンルの音楽を演奏できます。従来のエレクトーンはモデルチェンジのために数年で買い替えが必要といわれていましたが、最近は本体を変えずにバージョンアップできる機種が販売されています。電子ピアノと同じく音量の調整やヘッドホンの使用ができるため、導入しやすい楽器のひとつです。

電子ピアノとエレクトーンの違い

電子ピアノとエレクトーンの特徴を紹介しましたが、以下で更に詳しく比較します。

鍵盤の数

ピアノの鍵盤数は黒鍵も含めて88であり、本物のピアノと同じです。一方エレクトーンは一般的なモデルであれば上鍵盤と下鍵盤にそれぞれ49、ペダル鍵盤に20の計118備わっています。上位機種になると、上鍵盤と下鍵盤にそれぞれ61、ペダル鍵盤が25の計147の機種もあります。

鍵盤のタッチ

エレクトーンの鍵盤は軽く抵抗感が少ないのが特徴です。そのため、鍵盤楽器初心者の方や指の力が弱い子どもやシニアの方でも無理なく演奏できるのが長所のひとつです。

エレクトーンにはより深みのある演奏するためのセンサーが備わっており、鍵盤のタッチの強さによって音を調整するイニシャルタッチ、鍵盤を一旦叩いて更に押し込むことにより持続音をコントロールするアフタータッチが主な種類です。

電子ピアノはタッチが本物に近いものが多くあり、ほとんどの機種は鍵盤の重さの調整が可能です。タッチもピアノの再現を目標として作られているため、エレクトーンと比較すると重くて抵抗感があります。

音色

電子ピアノにもほかの楽器の音が収録されていますが、基本的にはピアノの音が中心です。電子ピアノは減衰音が特徴で、鍵盤を押し続けていても音が少しずつ消えます。

エレクトーンはさまざまな楽器の音色を奏でるのが想定されており、多くの音源から好きなものを選び、上鍵盤・下鍵盤・ペダル鍵盤へ別々に設定できるのが特徴です。

エレクトーンはもとの楽器音の特徴が再現されています。機種によりますがエレクトーンには動物の鳴き声の音など楽器以外の音が収録されているものもあり、小さな子どもが楽しんで演奏できるようなっています。

電子ピアノとエレクトーンどちらの方が難しい?

電子ピアノとエレクトーンを検討する時に、どちらのほうが難しいか気になる方も多いのではないでしょうか。電子ピアノの難しいところはエレクトーンに比べ鍵盤が重いこと、手の動きが複雑なことです。それに対しエレクトーンは3つの鍵盤を操作するため両手に加え両足の動きが必要になるのが難しいといわれています。

また、電子ピアノは手の動きが単調だと深みのある演奏にならず、手の動きに慣れていない初心者には難しく感じられます。エレクトーンは設定次第で深みのある演奏ができますが、機械操作に工夫とセンスが問われるためその点が難しい点でしょう。双方で難しさが違うので、どちらのほうが難しいかは弾き手が何を難しいととらえるかによります

まとめ

今回は電子ピアノとエレクトーンの特徴や違いについて紹介しました。まったく別の楽器である2つの楽器ですが、どちらも脳によい影響をもたらすことは共通しています。楽器を練習することで継続して取り組む力や、試行錯誤して課題を解決する力が身につくでしょう。

どちらを選ぶかは最終的には好みやどのような演奏をしたいかによりますが、クラシックやピアノ曲が好きな方は電子ピアノがおすすめです。機械の操作が得意な方や、合奏や重奏を奏でたい方にはエレクトーンがおすすめです。この記事を参考に楽器を選び、演奏を楽しんでください。

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