電子ピアノの選び方

公開日:2023/01/31  

電子ピアノは、どのような時間でも気にせず演奏を練習できるピアノです。アコースティックピアノとは構造が違うため、人によって向き不向きがあります。さまざまなメーカーが電子ピアノを販売しており、種類がたくさんあるので選ぶ時に悩んでしまうでしょう。

ここでは、電子ピアノの選び方について解説します。電子ピアノの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

電子ピアノとアコースティックピアノは別物

電子ピアノとアコースティックピアノは、構造が根本的に異なるため、まずは2つの違いを見ていきましょう。そもそもアコースティックピアノとは、一般的にピアノと呼称されるグランドピアノを指します。鍵盤を押すとピアノ内部のハンマーが弦を叩き、音を発生させます。

一方で、電子ピアノに弦はありません。電子ピアノは押した鍵盤に応じて内蔵している音源を、スピーカーを通じて発生させる仕組みです。電源に繋ぐ、乾電池を入れるといった電力で動く仕組みになっています。アコースティックピアノの鍵盤と比べるとタッチが軽いものが多く、演奏の際の感覚に明確な違いが出ます

電子ピアノのメリットとしては、時間帯を気にせずピアノの練習ができる点です。電子音を発生させるため、ヘッドホン・イヤホンを装着すれば音が外に漏れることはありません。日中でも深夜・早朝帯でも周囲を気にせずピアノの練習に没頭できます。

また、アコースティックピアノと違い、持ち運びできる薄型のポーやブルサイズもあるため、携帯性・収納性に優れて置く場所を選びません。デジタルならではの機能として、録音機能や自動再生機能、音量調節といったものも搭載されています。

鍵盤の重さや数がアコースティックピアノと異なるため、電子ピアノでアコースティックピアノの練習をする際は、可能な限りタッチ感覚や鍵盤数が近いものを選ぶのがおすすめです。

電子ピアノの選び方

ここでは電子ピアノの選び方を解説します。

タイプで選ぶ

電子ピアノはポータブルタイプと据え置きタイプの2種類に分けられます。タイプによって使い方に向き不向きがあるので、それぞれ見ていきましょう。

コンパクトなポータブルタイプ
ポータブルタイプは鍵盤が独立した形になっており、薄型で持ち運びに優れています。机の上やスタンドの上など、場所をえらばずに演奏できるのがメリットです。使用しない時はクローゼットや机の隙間といった場所に収納できる点も優れています。

ポータブルサイズを選ぶ際は、重量や大きさなど、利用環境に合ったものを選ぶのが重要です。

ただし、鍵盤に諸機能を詰め込んでいる関係上、スピーカー数が少ない、鍵盤数が少ないといったデメリットもあります。

本格的な練習がしたい場合は据え置きタイプ
アコースティックピアノのように、置き型の電子ピアノも発売されています。アコースティックピアノでの演奏を想定した練習がしたい、本格的にピアノを始めたい方におすすめです。ポータブルタイプは鍵盤だけでしたが、据え置きタイプはペダルと足が一体になっています。

本格的な演奏ができる反面、据え置き型は移動させるのが難しく、位置の変更や引っ越しの時は、1人ではほとんど動かせないため、人手が必要です。

値段で選ぶ

電子ピアノは主に「10万円以下」「10万〜20万円」「30万円以上」の3つの価格帯に分けられます。それぞれ解説していきます。

10万円以下のエントリーモデル
初めて電子ピアノを買う、とりあえず家で演奏できるピアノが欲しいという方には、10万円以下のエントリーモデルがおすすめです。エントリーモデルとはいっても、自宅の演奏で用いる分には十分な機能がついています。

そこまで機能・性能を求めない初心者向けのモデルなので、求めるスペックが足りないと感じてきたら上の価格帯へ移行するのがおすすめです。

充実した機能を求めるなら10万円~20万円
エントリーモデルではスペックが足りない、より本格的に練習をしたい方に、10万円〜20万円の価格帯の電子ピアノがおすすめです。アコースティックピアノでの演奏を前提とした練習を行う場合は、10万円以上のモデルを購入した方が、より実機に近い感覚で練習できます。10万円〜20万円の価格帯の電子ピアノであれば、ピアノ経験者でも納得のいく演奏ができます

本格的に使う場合は30万円以上
本格的なアコースティックピアノに限りなく性能を近づけるのであれば、30万円以上のモデルがおすすめです。専用のスピーカーや実際のピアノと同じ鍵盤数など、低価格帯では実現できなかった機能・性能が盛り込まれています。

非常に額の大きな買い物なので、実際に店舗で試し弾きをして、自分の納得いくタッチ感覚、音色、性能のものを選びましょう。

性能で選ぶ

電子ピアノを選ぶ際に欠かせないのが性能です。鍵盤数やスピーカーの数など、利用目的に合ったものを選びましょう。

鍵盤数で選ぶ
ピアノは鍵盤の数によって、表現できる音域が異なり、盤数が多ければ多いほど表現の幅が広がります。コンサートなどで使われるピアノは88個の鍵盤が一般的なので、本格的な演奏を前提にしている方は、88鍵盤の電子ピアノを選びましょう。

なお、エントリーモデルを購入する方や、サイズが小さく持ち運びに便利なポータブルサイズを購入する方は、41鍵盤・61鍵盤がおすすめです。

鍵盤のタッチ感覚で選ぶ
アコースティックピアノは、鍵盤を押す強さで音の強弱や響きを調節できます。電子ピアノも同様の感覚を再現できるように、設計されています。

タッチ感覚にこだわりたい方は、購入前に試し弾きすることをおすすめします。

スピーカー数で選ぶ
電子ピアノは弦ではなく、スピーカーから音を出す仕組みです。スピーカーの数が多ければ多いほど繊細な音を表現できますが、価格は上昇します。一般的な電子ピアノのスピーカー数は2〜6個で、高い音質を求める場合は4個以上を目安に購入しましょう。

音色の数で選ぶ
電子ピアノはオルガンやシンセサイザー、バイオリン、ギター、ドラムといった、さまざまな楽器の音色を出せます。ピアノだけ引ければ良いのか、他の音色も出せる電子ピアノが良いのか、自分に合った音色数を搭載したモデルを選びましょう。

フットペダルの有無で選ぶ
アコースティックピアノや据え置き型の電子ピアノにはフットペダルが付いていますが、ポータブルタイプの電子ピアノには、フットペダルが付かないことがあります。

フットペダルの有無は音響に関わるため、付いていない場合は、外付けフットペダルに対応しているか確認してから購入しましょう。

まとめ

電子ピアノにはさまざまな種類のモデルが販売されているため、どのピアノを購入すべきか悩んでしまいがちです。まずは収納性・携帯性に優れたポータブルタイプか、本格的な練習ができる据え置き型のどちらを購入するかを決めましょう。

初心者は10万円以下、中級者は10万円〜20万円、上級者は30万円以上のモデルがおすすめです。その他、鍵盤数やフットペダルの有無など、表現できる音が変わってくる要素があるので、電子ピアノに何を求めるのか、使用目的を考えてから購入しましょう。

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