電子ピアノでも騒音トラブルになることはある?騒音対策を紹介
電子ピアノはアコースティックピアノと比べて音が静かだと思われがちですが、実は騒音トラブルの原因になることもあります。集合住宅では、打鍵音やペダルの振動が響き、隣人とのトラブルに発展します。本記事では、電子ピアノによる騒音トラブルを防ぐための効果的な対策を紹介し、安心して音楽を楽しむためのポイントを解説します。
電子ピアノでも騒音トラブルになる可能性がある
電子ピアノは、アコースティックピアノに比べて音が静かであると一般的に考えられていますが、実際には騒音トラブルの原因となることがあります。
打鍵音が響く
騒音トラブルになる原因のひとつが打鍵音です。
打鍵音とは、鍵盤を叩く際に生じる音で、電子ピアノでの練習時にも避けられません。練習では何百回、何千回と鍵盤を叩くことになるため、それにともなって毎回小さな音が生じます。
日中であれば、さほど気にならないかもしれませんが、夜間や早朝など、周囲が静かな時間帯ではこのカタカタとした音が長時間にわたって続いて耳障りに感じるため、隣人から苦情を受けることもあります。音そのものは大きくなくても、繰り返し発生することが騒音問題を引き起こす要因です。
ペダルの振動音
もうひとつの騒音の原因としてあげられるのが、ペダルの振動音です。
上下階に住む住人同士では、電子ピアノの演奏自体が直接の原因ではなく、ペダル操作による振動が階下に伝わり、トラブルになることがあります。電子ピアノのなかでも本格的なモデルはアコースティックピアノに近い形状をもち、演奏時にペダル操作が必要となることが多いです。
このペダルを踏み込む際の振動が床をとおして階下に響き、苦情を招くケースがあります。演奏者がペダルを操作するたびに伝わる振動音は、上の階から聞こえてくると非常に気になりやすく、これもまた騒音問題を引き起こす原因となります。
電子ピアノの騒音対策を紹介
電子ピアノの騒音対策として、有効な方法を以下で紹介します。
防音壁にする
壁に吸音材や防音材を貼ることで音の反射や拡散を抑え、周囲に音が伝わるのを軽減しましょう。
集合住宅では、壁をとおして隣の部屋や隣家に音が漏れることが多いため、吸音材を使うことで騒音を減らす効果が期待できます。吸音材は柔らかい素材で作られており、音を吸収して反響を抑えることが可能です。
防音材も同様に、音を遮断する効果があるため、演奏する部屋に適用することで、隣人への音漏れを減らすのに役立ちます。
防音床にする
電子ピアノは鍵盤を叩く際の打鍵音やペダル操作による振動音が床をとおして階下に響くことがあります。
これを防ぐためには、ピアノの下と足元に防音マットや防音カーペットを敷くとよいでしょう。防音マットは振動を吸収し、床に直接音が伝わるのを防ぐ役割を果たします。
また、防音カーペットはマットより広範囲をカバーでき、より効果的に騒音を抑えることが可能です。これにより、階下の住人とのトラブルを避けられます。
防音室を導入する
より徹底的な対策を考えるなら、防音室の導入がおすすめです。
音や振動を気にせず演奏したい場合、専用の防音室を設置することで、完全に周囲への音漏れを防げます。防音室は、壁・床・天井すべてに防音素材が使われており、室内の音が外に伝わらないよう設計されています。
また、外部の音も遮断されるため、集中して演奏を楽しむことができるでしょう。費用はかかりますが、家全体の騒音問題を解決するには効果的な方法です。
電子ピアノを弾くときの注意点
電子ピアノはアコースティックピアノに比べて音量調整ができるため、騒音トラブルを避けやすい楽器とされています。
しかし、それでも周囲に迷惑をかける可能性はあります。そのため、電子ピアノを弾く際のマナーや注意点を守ることが大切です。
ヘッドホンを装着する
電子ピアノの大きなメリットは、音を外部に出さずに演奏できる点にあります。
ヘッドホンを使うことで、隣室や隣家に音が漏れる心配がありません。深夜や早朝など、周囲が寝静まっている時間帯に演奏したい場合は、必ずヘッドホンを使用しましょう。
壁にくっつけて設置しない
また、電子ピアノを壁に密着させると、これらの振動が直接壁に伝わり、騒音トラブルの原因になる可能性があります。
ピアノと壁のあいだに少し隙間を作るだけでも、音の伝わり方が大きく変わり、トラブルを防げます。
時間帯によって演奏を控える
いくら電子ピアノの音量が小さくても、長時間続くと非常に気になるものです。
打鍵音やペダルの操作音は、無意識のうちに周囲に迷惑をかけている可能性があるため、演奏する時間帯には十分に注意しましょう。
苦情を無視しない
近隣住民が騒音に悩んでいる場合、適切な対応を取らなければトラブルが深刻化する可能性があります。
防音対策を強化したり、演奏時間を調整したりするなど、近隣の声を尊重しながら対策を講じることで、良好な関係を保つことが可能です。
トラブルが長引く場合は引っ越しも視野に入れる
十分な対策を講じても問題が解決しない場合、引っ越しもひとつの選択肢として検討しましょう。
楽器を演奏することが許可された防音マンションや、防音設備が整った物件に移り住むことで、周囲を気にせず自由に演奏を楽しむことが可能になります。これにより、近隣とのトラブルを避けつつ、音楽活動に集中できる環境を手に入れられるでしょう。
まとめ
電子ピアノは便利で音量調整ができる反面、打鍵音や振動音などで騒音トラブルを引き起こすことがあります。しかし、適切な防音対策を施し、ヘッドホンの使用や演奏時間帯の配慮など、マナーを守ることでトラブルを避けることが可能です。万が一、近隣から苦情があった場合は迅速に対応し、必要に応じて防音設備の強化や引っ越しを検討することも大切です。周囲に配慮しながら、心置きなく電子ピアノを楽しめる環境にしましょう。