買ってはいけない電子ピアノ
電子ピアノは一度購入すると、なかなか買い替えることはありません。だからこそ、後悔しないように、慎重に選ぶことが大切です。そこで今回は、購入をおすすめしない電子ピアノの特徴やおすすめのメーカーを紹介します。ぜひ、電子ピアノ選びの参考にしてみてください。
買ってはいけない電子ピアノの特徴
購入をおすすめしない電子ピアノの特徴を紹介します。
聞いたことのないメーカー
最近は、聞いたことのないマイナーなメーカーからも電子ピアノが数多く販売されています。手頃な価格で手に取りやすいですが、品質面に不安があるためおすすめできません。
有名メーカーと比べて、音質や鍵盤の耐久性が低いケースがほとんどです。購入してすぐに不具合が発生することも少なくありません。
また、知名度の低いメーカーだと、アフターサービスにもあまり期待できません。中には、アフターサービスに力を入れているメーカーもありますが、初心者の方が見極めるのは難しいでしょう。
長期的に安心して使用するためには、実績が豊富なメーカーの製品の中から選ぶことが大切です。長年電子ピアノを開発しているメーカーであれば、品質が安定しているので、信頼できます。
鍵盤数が少ない
ピアノの鍵盤数は、基本的には88鍵盤となっています。しかし、安い電子ピアノだと、それよりも少ない76鍵盤や61鍵盤のものも存在します。
鍵盤数の少ない電子ピアノはコンパクトで価格も安いですが、演奏できる曲が限られてしまいます。とくに、クラシック音楽はフルサイズの鍵盤を必要とするため、満足に練習できないでしょう。
また、鍵盤数が少ない電子ピアノは、弾き心地も本物のピアノと異なります。せっかく毎日練習していても、本物のピアノを前にすると実力を発揮できない可能性があります。
初心者だからといって価格の安さで選ぶのではなく、しっかりと88鍵盤が揃った電子ピアノを選ぶことをおすすめします。
打鍵音が大きい
電子ピアノのメリットの一つとして「静音性」が挙げられます。集合住宅に住んでいたり、夜間に練習したりすることが多い方は、とくに静音性を重視して選ぶことが大切です。あまりにも打鍵音が大きい電子ピアノだと、トラブルに発展するリスクがあります。
また、ヘッドホンを使用して練習する方も、打鍵音が気になって練習がはかどらない可能性があります。演奏者にとってストレスになるだけでなく、近隣トラブルを引き起こすリスクがあるため、購入の際には実際に体験して選ぶと安心です。
鍵盤のタッチが軽すぎる
電子ピアノという名目で売られていても、キーボードのようなフワフワした軽いタッチの製品も中には存在します。価格の安さで飛びつくと、実際にはキーボードと変わらない質感だったと後悔する可能性があります。
アコースティックピアノの鍵盤は、適度な重さと自然な抵抗感を感じられます。演奏には、適切な力加減や繊細な演奏スキルが求められます。そのため、キーボードのような軽いタッチの電子ピアノは、アコースティックピアノと違いすぎて練習の意味がありません。
あまりにも軽すぎる鍵盤で練習していると、本物のピアノを演奏する際に違和感があります。力加減を調整することができず、思ったように演奏できない可能性が高いでしょう。
繊細な表現力を身につけたいのであれば、なるべく本物のアコースティックピアノに近いタッチの鍵盤を選ぶようにしましょう。
部屋に合わないサイズ
電子ピアノを購入する際には、事前に設置スペースを確保することが大切です。単に奥行きや横幅があれば良いというわけではなく、周囲のスペースに余裕を持って配置することをおすすめします。
部屋の大きさに対してサイズの合っていない電子ピアノを設置すると、生活に支障をきたします。たとえば、部屋の動線をふさいでしまい、異動するたびにストレスがかかったり、生活スペースを圧迫したりして、リラックスできない恐れがあります。
また、電子ピアノはインテリアの一部としての役割もあります。部屋のスタイルに調和しないデザインを選ぶと、やる気がでない可能性があります。設置スペースを十分に確保することと部屋のテイストに合ったデザインを選ぶことが重要です。
卓上タイプ
卓上タイプの電子ピアノはコンパクトで部屋に設置しやすいですが、姿勢が悪くなりやすいのでおすすめできません。ピアノは、演奏中の姿勢がとても重要です。姿勢が悪いと、指と腕をうまく使いこなすことができず、本物のピアノを前にして実力を発揮できません。
卓上タイプを使用していると、演奏中だけでなく、日常生活でも姿勢が悪くなる恐れがあります。どうしても卓上タイプを選びたいのであれば、専用のスタンドを合わせて購入しましょう。
専用スタンドを本物のピアノと同じ高さにセットして練習することをおすすめします。
おすすめの電子ピアノメーカー
電子ピアノ選びで後悔しないためには、実績のある有名メーカーの製品を選ぶことが大切です。そこで、本項目ではおすすめの電子ピアノメーカーを紹介します。
ヤマハ
国内メーカーであるヤマハは、世界No.1シェアを誇ります。電子ピアノにおいても、品質の高さが保証されています。
子どもが喜ぶキラキラとした華やかな音が特徴的です。ピアノメーカーならではのノウハウを活かして、本物のピアノに近い電子ピアノが多く販売されています。
ただし、ヤマハでは、電子ピアノではなくキーボードやステージ用ピアノも展開しています。軽いタッチのキーボードでは、本格的な練習ができないので、誤って選ばないように気をつけましょう。
とくに、おすすめなのは、低価格帯の「アウリスシリーズ」もしくはロングセラーの「クラビノーバシリーズ」です。予算に合わせてお気に入りの一台を選ぶと良いでしょう。
カワイ
カワイは、ヤマハに次ぐ世界シェア2位のピアノメーカーです。ヤマハのように宣伝広告に力を入れていませんが、品質の高さは遜色ありません。世界のピアノコンクールにおいても、カワイのグランドピアノが多く採用されています。
カワイの電子ピアノの特徴は、本物のピアノに限りなく近い弾き心地を実現しているということです。電子楽器としての機能は最小限に抑え、音と弾き心地にこだわりを持って開発しています。見た目も高級感があるので、部屋に自然と馴染むでしょう。
カワイの電子ピアノの中では「CN201」や「CA401」がおすすめです。ヤマハの低価格帯モデルよりは価格が高いですが、その分満足度も保証します。余分な機能を省略し、音とタッチにこだわった一台なので、本格的な練習ができるでしょう。
ローランド
ローランドはピアノメーカーではありませんが、電子楽器の技術はヤマハやカワイに引けを取りません。価格を抑えたコンパクトな電子ピアノから100万越えの高級モデルまで、幅広いラインナップが魅力です。
低価格帯の電子ピアノでも本物のピアノに近い弾き心地なので、買って後悔することはないでしょう。自宅用としては「F701」や「RP701」「HP702」はおすすめです。ローランドの電子ピアノが気になる方は、これらのラインナップから選ぶと間違いありません。
カシオ・コルグ
カシオやコルグの電子ピアノは、モノによってはおすすめできません。キーボードのような軽いタッチの製品が多いので、練習の質が落ちる恐れがあります。
どうしてもカシオかコルグの製品の中から選ぶのであれば、7~8万円以上の価格帯のモデルを選びましょう。カシオであれば「ap270」コルグなら「LP-380U」以上のモデルを選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回は、買ってはいけない電子ピアノの特徴を解説しました。最近は、さまざまなメーカーが電子ピアノを販売していますが、あまり聞いたことのないマイナーなメーカーはおすすめできません。とくに、安いからといって飛びつくと、キーボードのような軽いタッチで練習にならない可能性があります。また、使い始めてからすぐに不具合が発生する可能性が高く、故障してもアフターサービスが受けられないことがほとんどです。できれば有名なピアノメーカーの製品の中から選ぶことをおすすめします。予算の中で、なるべく本物のピアノに近い弾き心地の電子ピアノを選ぶことで、本格的な練習ができるでしょう。本記事が参考になれば幸いです。